私たちの暮らす奈川

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松本市奈川(旧奈川村)は信濃川を遡り、犀川から梓川そして奈川渡でかつて「大示川」といわれた一級河川「奈川」の流れに沿って集落が点在する山間地域で、古くは野麦街道沿いに沿って栄えました。

奈川の古名は「西牧・古畑」といい、正保年間に行われた中国絵図及び郷村調査の際、川の名前「大示川」に因み命名されたといいます。明治初期に奈川村となって百三十余年を持って2005年に松本市となりました。

明治までこの地は、尾張徳川藩の領地の一部でそのなごりもあり、行政区域は昭和23年(1948年)まで現在の木曽郡の一部でした。この年、梓川流域ということもあり、また穀倉地帯安曇野との交流がメリットも大きく、南安曇郡に編入して合併までに至っています。

村を大きく変えた歴史的な事柄は昭和44年(1969年)完成した奈川渡ダムです。この建設により2集落が水没し、当時の人口の4分の1が流出、そしてこの建設を契機に村の主産業は林業から土木へ、そして観光事業へと大きく変わることとなります。

奈川地域の面積約117平方キロの94%を森林が占め、戦後の国策で進められた拡大造林は天然林の半分を超えています。植生は冷温帯から亜高山帯に属して様々な植物が分布し、温暖帯の植物も混生する複雑な植生分布が特徴です

このような自然環境の中に生息する動物も多く、カモシカ・ツキノワグマ・ニホンザル・イノシシ・ノウサギ・ヤマネ・モモンガ・キツネ・タヌキなどがみられます。夏鳥の種類も多く、様々な鳥が営巣し子育てをしていきます。

古に「奈川の山はいや高く、奈川の川はいや清く・・・」とありますが、奈川は急な山並みが谷から競り上って織りなし、霧のかかった日などは墨絵のような風情を醸します。標高1000m以上にある奈川地区は豊かな自然に抱かれた緑あふれる山間の山郷です。

現在の地域人口は約650人あまり、高齢化も進み2人に1人が65歳以上という高齢者率の高い地域となりました。